【2020年ものづくり補助金概要 その3】「 応募に向けて、どのような準備が必要か」

3月10日に今年度のものづくり補助金の公募概要が公表されました。

前回の記事ではものづくり補助金における補助対象経費の考え方について紹介しました。今回は申請に向けた提出資料等について紹介していきます。

 本記事では3月10日に開示された公募要項の内容に基づいて執筆していますが、公募内容に変更が生じる可能性もありますので、最終的には公式サイトで最新情報を確認してください。
 また、ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者だけでなく、組合等の中小企業団体や特定非営利活動法人も補助対象企業としていますが、本記事では中小企業・小規模事業者の申請を前提としていますので、ご了承ください。

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記事一覧

  1. 2020年ものづくり補助金概要 その1 「まずは全体像を知ろう」
  2. 2020年ものづくり補助金概要 その2 「ものづくり補助金で対象になる経費・ならない経費」
  3. 2020年ものづくり補助金概要 その3「 応募に向けて、どのような準備が必要か」

まず最初にやるべきこと

ものづくり補助金はjGrantsからの電子申請に移行しました。jGrantsを利用するためには、gBizIDプライムのアカウントが必要です。

何よりはじめに、gBizIDプライムのアカウントを作ってください。gBizプライムアカウントの作成方法は、こちらの記事でも紹介しています。

gBizプライムアカウントは、インターネット上でアカウントを作るわけではなく、インターネットで申請書を作成して、郵便で書類申請するものです。そのため、申請書類を提出してから、アカウント作成が完了するまで1か月ほどかかるようです。

提出書類

公募要領で示されている提出資料一覧が下の表です。2020年度のものづくり補助金では、以前と比べて提出資料が少なくなりましたね。特に認定支援機関の確認書が提出不要となった点は評価したいです。

<公募要領P20より抜粋>

事業計画書(必須)

事業計画書として、次の2つの資料を準備する必要があります。

  • 具体的取組内容と将来の展望
  • 事業計画の算出根拠

Word等で作成して、PDF形式で電子申請システムに添付・提出するようです。様式(フォーマット)は自由とのことです。ただし、公式サイト(中小企業団体中央会)で参考様式が公開されており、そのフォーマットを確認すると従来のものづくり補助金の申請書フォーマットに類似していることから、多くの企業はこの参考様式の書き方に倣うものと予想されます。

申請書作成時は、どうしても書きづらいという場合をのぞいて、従来のフォーマットにある記載項目に沿って計画書を作成するのが無難でしょう。また、今回から、具体的取組内容と将来の展望について、必須ではないようですが合計10ページ以内で作成するよう推奨されています。

事業計画の算出根拠については、従来から数値計画の算出根拠を明記してくださいという指示はあったのですが、どこに明記すればよいのかわかりにくかったと思います。今回は別ファイルとして提出するよう明記されている分、しっかり説明する必要がありそうです。

賃金引上げ計画の表明書(必須)

様式1従業員への賃金引上げ計画の表明書として公式サイト(中小企業団体中央会)で公開されています。従業員代表から押印をもらう必要があります。従来は賃金引上げ計画の表明書は加点要素として存在していましたが、必須要件ではありませんでしたが、今回からは必須要件となりました。

決算書等(必須)

1期分の決算書を添付する必要があります。従来は2期分だったと思いますが、今回から1期分となったのですね。なお、確定申告書類は提出不要です(東京都の助成金申請では確定申告書まで必要)

経営革新計画承認書等(任意・加点要素)

経営革新計画という自社の事業計画を都道府県知事に認定してもらう制度がありまして、その認定を受けていればものづくり補助金の審査において優遇されるというものです。計画書作成、申請、審査、認定まで時間もかかるので、今から準備というのは厳しいでしょう。

開業届または履歴事項全部証明書

政策加点に使うようです。政策加点は、公募要領P18によると、

  • 小規模事業者
  • 創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)

のいずれかとのことなので、創業・第二創業5年以内でない企業は提出しても意味ないのかなとも思います。

ちなみに個人事業主は開業届を、法人は履歴事項全部証明書を提出することになります。

自然災害及び感染症による被害状況等証明書

様式2自然災害及び感染症による被害状況等証明書として公式サイト(中小企業団体中央会)で公開されています。

  • 昨年の台風15号、19号の直接被害にあった企業
  • 昨年の台風15号、19号の間接被害にあった企業
  • 新型コロナウイルスによる影響を受けてサプライチェーンの毀損に対応する企業

が対象とのことです。新型コロナウイルスの影響については、自己申告ではだめで、客観的事実を示すエビデンス資料の提出が必要とのことです。例として以下のような書類が示されています。

  • 原材料の調達先事業所が操業を停止していることを証する通知文書
  • 顧客からの中長期の取引計画を含む部品供給要請文書
  • 国内外の事業所が操業を停止していることを証する書類

事業継続力強化計画認定書(または連携事業継続力強化計画認定書)

事業継続力強化計画については、こちらが公式ページのようです。経営革新計画同様にすぐに認定を受けられるものではなく、既に認定されている企業は加点材料として提出すればよいと思いますが、認定を受けていない企業は気にしなくてもよいです。

特定適用事業所該当通知書

年金事務所から「特定適用事業所該当通知書」を受けている企業は、この通知書を添付することで賃上げ加点を受けられるそうです。

「特定適用事業所」については、年金機構のWEBサイにいろいろ情報が載っています。

申請方法

まだjGrantsにものづくり補助金の申請受付をスタートしていません(26日から受付開始)。jGrantsシステムにログインして、必要事項を入力のうえ、上記ファイルをアップロードするものと思われますが、詳細は今のところ不明です。

まとめ

提出書類については、必須資料が大幅に減ったのが印象的です。加点目的の追加資料についても、今から準備して次の申請に間に合うような加点要素はなさそうなので、追加資料無しという企業も多いのではないでしょうか。

  • まずはgBizIDプライムのアカウント申請をすること
  • 事業計画書はフォーマット自由になったものの、今までの書式に倣うのが無難
  • 数値計画の根拠説明資料はしっかり作成する必要がありそう
  • 加点要素の追加資料はあれば出すという感じ。無理してもいいことなさそう

 

 

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